7月 赤岳~白雲岳(はくうんだけ)
まさかの故障
今回は大雪山系の赤岳から白雲岳の山頂を目指すコースですが、山行のことよりもまず、往路で見舞われた車両トラブルについて書かせてください。
赤岳登山口までは石北峠を越えていくのですが、峠の頂上あたりを走行していると車のインパネに「水温が上昇しています」というメッセージと、異常を知らせる警告灯がいくつか点灯しました。
「なにこれ?」「なんでしょうね?」「まぁ走れるみたいだし、登山口までもう少しだからとりあえず行ってみるか」などと気にせず走り続けました。
しかしなんということでしょう。登山口まで10キロ以上続く林道の途中で、車が動かなくなってしまいました。
おまけにボンネットからは「ボコボコボコ…」と不穏な音が…
え、なに怖い…爆発とかしないよね…?
異音の原因を調べたところ、どうやら冷却水(クーラント)が沸騰しているようです。
クーラントって沸騰するんだ!
こんなときどうしたらいいの?学校で習ってないんですけど。スマホの電波もないので検索もできません。
自然に冷めるのを待つしかないのかな。そしたらエンジンかかるかな。
そう思っていたところ、リーダーのTさん(車の持ち主)がおもむろにクーラントのキャップを外しました。
ブシャーーーーッッ!!!
噴き出す蒸気とクーラントで車内は大変なことになりました。
初めて見る光景です。
噴出がおさまってから持っていた飲み水をタンクに入れてみましたが、エンジンはかかりそうにありません。
どうやら正しい対処法ではないようでした。
どうするこれ…?
まぁでもあれか、とりあえず登山口まで行って、電波があるところでレスキュー呼ぶしかないよね。
こうして我々は登山を決行することにしました。
車を林道に捨て置き、登山口を目指して10キロの道のりを歩き始めます。
(これから10キロ歩いて、そこからさらに山登りもするのかぁ。俺の足、持つかなぁ)
正直不安でしたが、歩き始めてすぐに救世主は現れました。
1台の車が停まってくれて、私たちを登山口まで乗せていってくれたのです。
感謝っ・・・・!圧倒的感謝っ・・・・!
救世主は「NPO法人 かむい」の浜田さんと森さんでした。リーダーのTさん(顔広い)と知り合いだったようです。
なんとか登山開始
こうして無事に赤岳登山口に到着。
ここから白雲岳山頂を目指すコースタイムは約7時間、雌阿寒岳よりややきついコースです。
登り始めてすぐ、伊豆でアウトドアショップを経営している山好き夫婦、もじゃまるさんに出会います。
記念撮影にも気さくに応じてくれてとても良い方でした。

ところどころ雪が残っており、初めての雪渓を経験しました。雪があるのに半袖でいるって変な感じ。

赤岳山頂を経て、

しばらく歩くと目指す白雲岳頂上に着きました。

ここから見えるのが、残雪がおりなす絶景・通称「白雲ゼブラ」

思わず息を飲むほど雄大な眺めです。ずーっと見ていられますね。
白雲ゼブラとは言いますが、雪があるのは旭岳の裏側らしいので、正確には「白雲岳から眺める裏旭岳ゼブラ」でしょうね。
山頂にはなぜか電波がありまして、ここで故障車のレッカーと代車を手配して無事に帰ってくることができました。
こんなところ焼けるんだ
この日は天気が大変よく、山頂付近ではスーパー直射日光が後ろから照り付けてきました。容赦ないほどに。
数日後、「なんか耳がかゆいなー」と思って触ってみると皮がポロポロと落ちてくるではないか。
キャップはかぶっていたのですが、耳の裏まではカバーできておらずがっちり日焼けしたようです。
日焼けによって耳の皮がはがれるという初体験。

車の点検と日焼け止めは耳にも塗るのが大事だと学んだ一日でした。