7月 黒岳石室
白雲岳の山行から1週間、今回は黒岳へ挑戦です。
麓からロープウェイとリフトを乗り継いで7合目まで行けば、あとはサクッと登れるお手軽な山。
しかし今回はただ登るのではなく、荷揚げというミッションが伴うものでした。
山小屋や登山道の補修などで使う資材を背負って登るのが荷揚げ。
1週間前に白雲岳でお世話になった「NPO法人かむい」が主催するもので、先週の恩返しのためにと志願したものです。
今回背負うのは木材。180cmくらいある、ロング木材である。
何本運ぶのかは各自、自分の体力に合わせて任意で決めます。
つまり「何本でも好きなだけどうぞ」ということ。
自由に本数を決められるということは「君は何本持てるかな?」と試されているような気持ちになり、持てるだけ持っていってやらぁ!と意気込むのですが、じゃあ何本かと言われるとちょっと困っちゃいますよね。
登山経験も浅いですし、ましてや木材を背負って登ったこともないので、自分がどれくらいの本数を運べるかわかりません。
一緒に参加する男性を見渡してみると4本以上背負う人が多く、中には8本背負っている人も。
男とは見栄を張る生き物で、周囲の男性と競う気持ちが湧いてくるものです。全然そういう競技じゃないのに。不思議なものです。
(あの人が8本持つなら俺でも5~6本は軽いやろ、少なくとも4本は余裕だぜ)
こうしてまず4本を背負おうとしていた私に、リーダーのTさん(でかい)は言いました。
「3本にしておけ」
いや3本て。あんま舐めないでもらえますか。そのへんのもやしっ子と一緒にしないでくださいよ。
でもまぁリーダーがそう言うなら仕方ない…という気持ちで試しに3本を背負ってみました。
お、お、おめぇぇ~~~~
木材、どちゃくそ重いやんけ!
1本あたり4~5kgあるらしい。3本で15kg。
テント泊をする場合、女性でも20kgくらいの装備をかついで登るそうなので、これが重いか軽いかというと決して重くはないのだろう。
ということは…?
ただ私がもやしっ子なだけでした。
ほんとすんませんでした。
3本が軽いのは認めるとしても、じゃああの男性が担いでいる8本はどうなんだって話ですよ。40kg近いじゃないですか。
聞けば消防士らしいですね。どうりで。よく見るとめちゃくちゃ良い体してますやん。普段からの鍛え方が違うってだけの話。もやしっ子はすっこんでろって話。
ほんとすんませんでした。

写真は笑顔ですが、背負うだけでふらつく始末。
木材のせいで油断すると後ろに倒れそうになるので常に前屈み、重心を前にして歩くことになります。
普段なら軽い登山道が一気にきついものとなります。
テント泊のための訓練と思って必死に登ります。

休憩を挟みながら、息も絶え絶えになんとか黒岳頂上へ着きました。
しかし今回のゴールは、さらに先へ進んだ「黒岳石室」という山小屋。
ひいこらひいこら、足場の悪いガレ場を20分ほど歩いて石室へ到着。
私を苦しめた木材をようやく下ろした時の爽快感、忘れないでしょう。
石室で売っているコーラ(1本500円)で皆で乾杯し、互いの労を労いました。

帰りは木材がないので余裕の表情。

荷物が軽いって幸せだなぁ!
微力ですが、山に恩返しができてよかったです。