第4話はこちら。
行動を共にしていた同期(女性)と別れて一人になった。
これからどこへ向かおうか。
なんてったって日本三大歓楽街の一つ、中州にいるわけだ。
一応、念のため、無料案内所を覗いてみる。健全な男子として。一応、念のため。
ふむふむ、なるほど……よし。
そうして心を決めた俺が向かった先はというと…
屋台だった。
また屋台かーい。
それだけ気に入ったということだ。
風俗などには目もくれず、酒を求めてオアシスを探す。
先ほどは天神の屋台だったが、今度は中州にお邪魔することにした。
ずらっと並んだ屋台、どこに入ればいいかしら。
事前情報がないので、雰囲気で選ぶしかない。
ひときわ活気のある屋台を選んでみると、そこは若いお兄さん二人が切り盛りする「博多屋台 よっちゃん」だった。
客層は他の店に比べて昆布、いやワカメ、じゃなかった若めだった。男前店員の二人を目当てにくるお客さんもきっと多いのだろう。
うんうん!うまかっちゃん!
料理の腕もたしかですわ。
明太だし巻きと、隣にいたグループの話を肴に日本酒でちびちびやる。
一人で来ている身としては、他人の声に聞き耳を立てるぐらいしかすることがないんだ。
俺よりもやや年上のおじさんとおばさん数人のグループだった。
北海道の話がでてきたので、ここぞとばかりに少しだけ会話に混ぜてもらう。邪魔にならない程度にね。
この感じ、やはり屋台は楽しいな。
2杯くらい飲んだのかな、お会計は2,100円だった。
屋台も近年のキャッシュレス社会にしっかりと対応していて、PayPayが使えるもんでね。
酔っていて、いくら出したか覚えていなくてもアプリで確認できるのもいいところ。
心地よい酩酊感に包まれながらホテルまで歩き、次の日に備えてぐっすりと眠る。
2日目・佐賀
2日目は朝からぎっしりお仕事。
なんせ今日が出張の目的。真剣に取り組まねばならない。
ためになるセミナーに参加したり、多くの人と出会ったり、意義のある一日だった。
今後の業務に役立てていく所存。
夜は夜で交流会。博多駅周辺で飲んで、終了したのは23時30分だった。
さすがに疲れ果てて大好きな屋台に寄る元気もない。
真っすぐホテルへ帰って就寝。
明日は九州を離れ、札幌へ向かいます。
第6話へつづく