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TOKYO観光① 渋谷
町田での仕事を終え、自由時間を迎えた私が向かったのは渋谷。言わずと知れた若者のマチだ。
用事なんかないんだけどさ。なんとなく足が向いたってわけ。渋谷にね。
駅に降り立ってすぐに目に飛び込んできたのは…
モヤイ像だ。
モアイではなくモヤイ。
当然こう思った。
モヤイってなに?と。
モヤイ像は、東京の南にある新島という島で彫られているものらしい。
その一つが海を渡って渋谷区に贈られたそうな。
「モヤイ」というのは、新島の島民のやさしい心根を表す、島の歴史とロマンを秘めた言葉。
力を合わせる時にのみ使うんだ。
なるほどそういうことだったのか。ためになったね。
みんなわかったかい?
俺は全然わからなかったよ。
あの有名なハチ公像の前では、待ち合わせをする人より記念撮影する人の方が多かった。
スクランブル交差点の前には制服姿の女性が二人。
まさか現役の女子高生ではあるまいな。
コスプレで目を引いて、主に男性への声掛けを狙うのだろう。
何を配っているのか興味はある。ほんの少しね。でもなんか怖いので足早に横を過ぎ去る。
スクランブル交差点を渡った先、センター街の入口ではキレキレの踊りをみせる3人の若者がいた。
どうやら動画撮影をしているらしい。
人混みをものともせず、ピンクのド派手な衣装で堂々と踊っている。
すごいのは、道行く人々がこんなに目立つ彼らにさほど興味を示していないことだ。
度肝を抜かれているのは俺くらい。
こんなことは日常茶飯事、いちいち気にもならないわ、ってか?
さ、さすが都会やでぇ…。
ちなみに、後で調べてみると彼らはパワーパフボーイズというユニットで、そのとき踊っていたのは「ツメカワイイ」という彼らのオリジナル楽曲だったようだ。
パワーパフボーイズ、覚えたよ。もっと売れてくれるとおじさん自慢できるんだけど。
「まだ売れる前のパワパフ見たことあるんだぜ」ってね。
センター街をもくもく歩く。
若者と外国人が多い。
ディッパーダンがあるねぇ。
クレープは好きだけど、おじさんが一人で並ぶにはキツいと判断して見送る。
お笑い好きを自負する者としては、ヨシモト∞(無限大)ホールに立ち寄るのも一興か。
なんせ地元にいたのではお笑いライブを観る機会もなかなか無い。
どれどれ、18時30分の公演はどんな人が出るのかな。
全然知らんねぇ!
そいつどいつは好きだけども。
ほかは全然見たことない。
もうお笑い好きを公言するのはやめよう。そう思った。
第4話へ続く