NHKの「プロフェッショナル」という番組があるな。
2020年1月7日放送のプロフェッショナルは、超進学校で数学を教える教師・井本 陽久さんだった。

子ども達に自ら考えさせる授業は独特で、さすが進学校といったところ。
でもそれ以上に、この人すごいと思ったのは生徒への接し方。
「いもにい」と慕われる井本先生は、何にも用事がなくても生徒たちに近づいて行ってちょっかいをかける。
あなたのことを気にかけていますよ、興味を持っていますよというメッセージを伝えるために。

「でも用もないのに訳の分からないことをするっていうのが」

「純粋にその子に興味を持っているっていうことですよね」
これってすごいことだと思う。
めっちゃ嬉しいじゃないですか。
自分が誰かに必要とされていると感じたときや、
価値のある人間だと認めてもらえたときって。
大人でも子どもでも。
自分はこのままでいいんだっていう自己肯定感が生まれるよね。
もう一つ、好きなシーンを。

「特に自信ない子ほど 周りの評価軸を気にするじゃないですか」

「だから子どもにとっての大人の意味って」

「何かやっていて ふっと大人の顔を見たときに ほほ笑んでもらえることだと思います」

「子どもがふっと見たときにほほ笑み返せる 返すこと」

「あの瞬間ってめちゃめちゃ大きいですよ」
ほんまそれ。
心からの安心を与えたい、自信を持たせてあげたい、そんな思いで接するから生徒も心を開くんだろうな。
教師に褒められたことがずっと心の支えになってることってないですか。
俺はある。
小学校のときに、遠足の思い出を書いた作文で「足が棒になった」っていう表現を褒められて嬉しかったこととか、
騒がしい廊下に座ってじーっと本を読み続けていたら「お前は集中力があるな」と言われて「俺って集中力のある人間なんだ」って自信がついたこととか、
そういうの今でも覚えてるもんな。
あと、誰かの何気ない一言に救われたことも何度もある。
自分の声が好きになれない俺に向かって友達が投げてくれた「声がいいよね」という言葉。
あぁ、俺のこんな声でも好きでいてくれる人いるんだな、全然気にしなくていいんだって。
ありのままの姿見せるのよ、ありのままの自分になるのって。
そう思わせてくれた。
言ってくれた本人は、本当に何の気なしだから覚えていないかもしれないけど。
俺の心を救ってくれた言葉たちを俺は一生忘れないよ。
そんな経験をしているから、褒めることって大事だなってずっと思ってる。
人生を豊かにする系の自己啓発本にも大体「人を褒めろ」と書いてあったりするし。
大事だって分かっているんだけど、いざ実践するとなると簡単なようで難しいよね。
あれは何なんだろうね。
心の中では「髪切ったんだ、似合ってるな」とか「今日の服いいな」とか思っていても、素直に声に出せないやつ。
照れくさいというか…
変な下心があると思われるんじゃないかとか…
さらっとナチュラルに褒め言葉をいえる人、本当に尊敬する。
俺もそんな人になりたいんじゃ。
今後は意識してどんどん褒めていこうと思う。
とは言え、面と向かって褒めるのはまだ恥ずかしいので、文章で伝えることから練習しよう。
そう考えて、グリコのお問い合わせ窓口から、生チーズのチーザ<燻製チーズ味>を称えるメールを送った。

今までこんなんしたことないけど。どうにかこれを食べたときの感動を伝えたかったんだ。
メールに書いたのは次のようなこと。
- この商品がハチャメチャにうまいこと
- 特にビールに合うこと
- まとめ買いして常にストックしてあること
- こんなに美味しい商品を開発してくれたことの感謝
- この商品が定番化されることを願っている
- 体に気をつけて商品の開発頑張ってね
- 返事はいらないよ
そうしたらグリコのやろう、律儀に返事を返してきやがったんだぜ。
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いつもGlico商品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
また、「生チーズのチーザ<燻製チーズ味>」への、お褒めのお言葉を頂戴致しまして、重ねて御礼申し上げます。
お寄せいただいたお声は関係部門に申し伝えます。担当者の今後の励みになります。
賜りました温かいお言葉を励みに、皆様のご期待に沿えるような商品開発に邁進して参ります。
当社は創業以来、お客様に「おいしさと健康」をお届けすることを目標に、商品の開発・研究に最善の努力をしております。
今後もお客様の声を大切にし、より良い商品をお届けする所存でございますので、末永く当社商品をご愛用いただければ幸いに存じます。
最後になりますが、木村様のご健康とご多幸をお祈り致します。
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だってよ。
返事はいらないって言ったのによ。
こっちがありがとうだわ。
とんだ優良企業だぜ!
こっちがありがとうだわ!
これからも買うからね!