第7話はこちら。
神田伯山の講談にすっかり満足して道新ホールをあとにする。
実はこのあと、もう一つ催し物を観に行く予定があった。
これだ。
あのアレさ、世界的に有名な。
いろんな国の、いろんな壁に描くやつ。風刺を効かせた落書きとか。
でも誰も正体を知らない的な。
なんだっけほら、ハンプティダンプティみたいな名前の。
え？
ぱんく…？ばんく、しー？
そうそれ、バンクシー。の展覧会がちょうどやってたもんでね。
戦争や政治に関するメッセージを発信するバンクシーがどんな人なのか、以前から気にはなっていた。
それに普通の美術展なんかよりもライトな感覚で楽しめそうだと思い、この日に合わせてチケットを購入していたものだ。
せっかくなのでゆっくり観覧したいと思うが、展覧会は19時まで。
道新ホールを出た時点で17時40分だったので、のんびりはしていられない。
東1丁目劇場までは、当然走って移動することとなった。
17時50分ころに入場。写真撮影がOKだったのでたくさん撮りながら歩いていたら時間が足りなくなり、最後の方は駆け足で回る羽目になった。
せっかくなので撮った写真を何点か載せておく。
あ、すみません、最後のは最近長女が描いた「すぬーぴのあいすやさん」でした！
すぬーぴは中々の大型犬だ。
会場の出口にはバンクシーのグッズなんかも売っていたが、混んでいたのと閉館まで時間がなかったのとでスルー。
ライトな感覚で観て回れたのは確かだったけど、まぁこんなもんかなという感じ。
満足度は、神田伯山の方が圧倒的に上でしたな。
時間は19時でお腹もすいていたので、有名なスープカレー屋『GARAKU』へ。
着いてみると、店舗は地下1階にあるようで地下へ向かう階段に行列ができていた。
さすが人気店なだけあるなぁ、と最後尾に並ぶ。
すると、あとから来た若者数名のグループが行列をすり抜けて地下へと降りていく。
おいおい君たち、この行列が見えていないのか。
いま降りていっても中には入れないんだぜ。
そもそも社会のルールが分かっていないのかもしれない。
最近の若者がここまで世間知らずとは…。いったいこの先、日本はどうなってしまうのだろうか。
そう思いながら若者を観察していると、店の入口前に設置されている機械を操作しているのが見えた。
若者たちは階段を上がってきてどこかへ消えた。
彼らはいったい何をしていたんだ…？もしかしてこれって…？
そう、入口の前にあったのは順番待ちの予約を受け付ける発券機だった。
行列に並ぶより先に、まずはこの機械で受付をしなければどれだけ待っても入れないシステムなのだ。
若者よすまん、ルールが分かっていないのは完全に俺の方だった。こんなに素晴らしいシステムがあり、それをしっかりと使いこなす君たちがいる日本の行く末は明るい。
それよりも憂うべきは自分の無知だな。常に自分をアップデートし続けなければ。
いったん列から離脱し、発券機で受付をすませる。
列に並んでいた人たちから「こいつ、知らないで並んでたのかよ」と思われたかな。恥ずかしいな。
ただ、いったん受付を済ませるともう列に並ぶ必要はない。
自分の番が近づくとLINEで通知が届くので、その間はどこに行っていてもよいのだ。
しばらくして通知が届いたので、階段の行列をすり抜けて入口付近で待機する。
入店できたのは19時30分頃だったろうか。
何を頼んだのかは忘れたが、めちゃくちゃ美味かったのは覚えている。また来たいと思った。もう発券機の仕組みもわかったことだし。
カレーを食べた後は、まっすぐホテルへ。
出張の疲れがたまっていて、とても一人ですすきのへ繰り出す気にはなれない。
泊まったのは京王プレリアホテル。新しくて素敵なホテル。札幌駅からも近い。
入口前でいちゃつくカップルを横目に、ひとり寝酒をキメてやった。
4日目・北見へ
最終日。
少しだけ札幌駅で買い物をして、飛行機で帰路へつく。
特筆すべき出来事はないが、3日ぶりに家族の顔を見られて安心した。
福岡のお土産をいろいろと買って帰ったが、子ども達が一番喜んだのは地球グミだった。
なんだか複雑な気持ちだが、喜んでくれたのでよしとする。
おわり
