謹啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
さて私儀
7月15日をもちまして
なんと
30歳になりました
い…い……いつの間に30年も生きたか…。
30歳ったら世間的に見てもなかなかいい大人ですよ。
自分の両親だって30歳のときは、兄と自分と、妹ももうすぐ産まれる頃かな?
だから自分もね、小さいときは思ってましたよ。
30歳にもなったら奥さんも子供もいて一家の大黒柱的な頼れる男になってるんだろうな、と。
自動的にそうなるものなのだろうな、と。
しかし現実はどうだ。
子供はおろか結婚すらしてねぇ!
それどころかボールペン売り場の試し書きでは必ず「うんこマン」って書くし、
一人でいるとき『会いたかった』のリズムで「葉っぱカッター 葉っぱカッター♪」って口ずさんでるし、
自転車乗ってるときにカーブに差し掛かったらハングオンの体勢で曲がろうとするし。
とても30歳の男とは思えぬ。
これからだな。
スーパーとか駅とか、人がたくさんいるところでたまたま知り合いに会って立ち話をするシーン、誰にでもあると思うんです。
そこまではいい。普通のことだ。
問題は、話が終わって別々の方向に分かれるとき。
今まで話してた相手の方、つまり後ろを見ながら「じゃーねー」と歩き出すアホンダラいるじゃないですか。
そんで歩いてく先に俺がたまたま立っていて、ぶつかる寸前でやっと前を向いて
「うわっ、びっくりした」
って心底驚いた表情するアホンダラ。
いやお前のせいやろがい!
俺何もしてへんっちゅうねん!
こっちが驚かせたような感じ出されても!
まぁね、こっちも今まで何十回とぶつかられそうになってますからね、わかるわけですよ。
あーきたこれいつものパターンね、と。
でも俺は避けない。
ぶつかっても構わないと思っているから。
むしろぶつかることでそのアホンダラに気付いてほしい。
前を見ないで歩いたら危ない、ということに。
俺でよかったよほんと。
これが俺でなくてヤクザだったらすごい因縁つけられてるかもしれないし、
もしもトンベリだったらソッコーでぐさっ!ですよ。
みんなのうらみで命を落とす前に気付いてよかったよあんた。もうこんなことはしちゃいかんぜ。
くらいのね、人間教育的な意味も込めて決して避けなかった俺。
でも最近ちょっと考えを改めた。
まず、その人が毎回そういうことをするタイプかどうかわからない。
いつもはちゃんと前を見て歩く人だけど、今回はたまたまやっちまっただけということも考えられるよね。
それから、その人が毎回そういうことをするタイプだったとして、今回俺とぶつかりそうになったことで次回から気をつけるようになるとは限らないよね。
そのときは「あー危なかった」と思うだろうけど、次回知り合いとの別れ際に「あ、以前人にぶつかりそうになったことがあったな、今回は前を見て歩き出そう」と思い出すとは思えない。
お互い嫌な気持ちになったり、怪我する可能性があったり、人とぶつかることで負うリスクはそれなりにあるけど、俺にとって得することは何一つないし。
だからまぁ、結論から言うと俺が今まで教育だと思ってやっていたことはただの思い上がりで、世の中的にはただの無駄でしかないわけです。
人間教育とか偉そうなこと言いながら「相手が前を見ないのが悪いのだから、俺が避ける必要なんかない」という子どものような考えも持っていたと思います。
でもね、これからの俺は違いますよ。
人とぶつかりそうになったら避ける、ということを学びましたからね。
30歳で…。
あ、でもね、こんな僕でも車の免許更新に行ったら
ゴールド免許になったよ!!
やった、やった、ゴールド免許~♪
いやぁ、優良講習は短くて楽じゃったなぁ~♪
さぁ、民よ、我を敬うのじゃ!
敬具