夫のちんぽが入らない

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この本のタイトルをよくご覧ください。

自信を持って、大きな声で読み上げてほしい。

『夫のちんぽが入らない』

そう書いてあります。

ある日twitterを眺めていると、どうやらこの本が面白いらしい、という情報が流れてきた。

え?

なに?

夫のちんぽ…?

入らない…?

何というタイトル…興味深い……

一体どんな内容の本なのだろう…興味深い……

評判はネット上を飛び出し、数日後には全国紙の広告欄に堂々と登場。

着実に売り上げを伸ばしている模様。

読んでみたい。

しかしこんなふざけたタイトルの本、まさか図書館には置いてないよなぁとダメ元で蔵書検索してみたところ、何と3冊も所蔵しているとのこと。

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信じられんがやるな図書館の人!いいセンスしてるね!

あとネットでできる蔵書検索機能と予約機能、めっちゃ便利だな!

遠い分館にある本でも取り寄せて近くの分館で渡してくれるし。

行き届いた市民サービスに感謝しながら予約ボタンを押すも、既に16人の予約が入っていた。

気長に待つこと3か月、自分の番が回ってきたことを知らせるメールが届いた。

図書館に赴くも、タイトルがタイトルなだけに、カウンターに向かうのが躊躇われた。

男性職員が空いたところを見計らって貸出の申請をした。

職員は職員で、タイトルが見えないようにずっと裏向きのまま本を扱ってくれた。

あれ?

この感じ何かに似ているな…と思ったら、

コンビニでエロ本を買うときの感覚と全く同じでした。

久しぶりに少し恥ずかしいあの気持ちを思い出したいあなたにオススメです。

本の内容、気になるでしょう?

どんな猥雑なことが書かれているのだろうとゲスな好奇心から読み始めたのですが、良い意味で期待を大きく裏切られました。

下ネタ満載の内容を想像していましたが全然そんなことはなかった。

タイトルとは裏腹に、一人の女性の苦悩に満ちた20年間を綴った物語で、シリアスな場面あり、感情移入して泣いてしまいそうになる場面あり。

普通の顔して生きているように見えて、皆色んな事情を抱えて生きているんだなと改めて気付かされました。

それにしても、どんどん引き込む文章のうまさと、随所に光るユーモアセンスに脱帽ですわ。

繊細な心の持ち主が書いたことが伝わってきます。

こんなふざけた本を図書館に入れるなんて大胆だなぁと最初は思ったけど、とても良い作品でした。

最後にぼくが特に気に入ってる場面を紹介して終わります。

夫がパソコンでデリヘル「狂乳パラダイス 超敏感な爆乳」について検索して、それを妻である作者が発見してしまった場面

爆乳が超敏感とは限らないんだ。目を覚ましてくれ。

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