味覚を磨く|すばらしい酢の物

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酢の物のおいしさがわかるようになってからが人生の第二章。

これはぼくがいま思いついた言葉です。

子どものころ、まったくおいしいと思えなくてマジで存在意義がわからなかった酢の物。

がっかりおかずランキング、堂々第1位の酢の物。

ぼくの中で常に虐げられてきた酢の物が、最近おいしく感じるようになってきました。

あんなに不評だったおかずランキングにおいても、ここにきて順位急上昇。

ポン酢、紅ショウガ、もずく酢、梅干しなんかも大人になってから好きになりました。

ギョウザを食べるときなどは、今や醤油より酢の割合の方が多いくらいです。

「味覚は大人になるにつれて変化する」とはよく言いますが、ぼくの場合はすっぱいものが好きになる変化だったようです。

これから先の人生でも、どんどんすっぱいものが好きになるかしら。素敵な人生やん。ビューティフルライフやん。

でもいったいなぜ、そんな風に味覚が変化するのでしょうか。

味を感知する「味蕾」という細胞は、大人より子どもの舌の方がたくさん持っているそうです。

味覚が敏感な分、腐敗を感知する酸味、毒を感知する苦みなども強く感じることができるのです。

しかし成長につれてその数は減少し、大人になると3分の1まで減ってしまいます。

えっ、ということは…

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味覚の変化って、もしかして…

ただの老化…?

いや、いやいや、そんなことはない。

これまで積み重ねてきた食体験がもたらす味覚の変化なんだ、これは。

絶対にそう。絶対に。

最近、歯磨き中にめちゃくちゃ「えづく」ようになってきたけど、豊富な人生経験によって起こる身体の変化なんだ、これも。

絶対にそう。絶対に。

だからまぁ、洗面所から激しめの「オエオエ」が聞こえてきたとしてもですよ。

(じじいやん…)

などとは決して思わずに。

(それが あなたの いいと・こ・ろ♪)

くらいに思ってください。お願いします。

山口智子「それが あなたの いいと・こ・ろ♪」

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