前回はこちら。
10km地点 - 20km地点
10kmごとにゼリーでエネルギー補給をするのも今回の作戦のひとつ。
前回、エネルギー補給をまったくしなかったせいで、途中で足がピタリと止まってしまったので…。
すべての給水ポイントにもしっかりチェックインしながら進みます。なにしろ暑いのだ。
15km地点を通過。5kmタイムは28分14秒。キロ5分38秒。
まだ遅いですね。もう少しペースアップが必要です。
19km地点を超えて始まるのが ”地獄の新川通”。
長い長い直線道路を6km以上走り、折り返す。
日差しを遮るもののない往復13kmの道のりは、ランナー泣かせの難所として有名です。
20km地点を通過。5kmタイムは26分59秒。キロ5分24秒。
新川通をこのペースで帰ってこれたらサブ4の光が見えてきます。
20km地点 - 30km地点
折しも気温が午前中のピークを迎えた頃。気象庁データで10時10分に25.3℃を記録しております。
中央分離帯を挟んで左側では、新川通を折り返したランナーたちが走っています。
自分も早く折り返し地点が来てほしいのに、全然先が見えないのが辛い。
油断すると「もういっそ分離帯を越えて左側にワープしたい」という願望が頭をもたげます。
なるべく余計なことは考えずに、ただ足を交互に出す機械と化し、静かに静かに走り続けます。
右、左、右、左…
25km地点を通過。5kmタイムは26分27秒。キロ5分17秒。
確実に後半の遅れを取り戻しています。
新川通の前半は本当に苦しかったのですが、折り返したことで少し気持ちが前向きになりました。
途中のエイドではバナナを補給して元気をチャージします。
30km地点を通過。5kmタイムは27分8秒。キロ5分26秒。
30km地点 - 40km地点
30km地点で2時間50分。
残り12kmを70分ですので、キロ5分48秒のペースで走り切れればサブ4を達成できそうです。
今のペースからしても余裕があるし、脚もまだ十分残っている感覚があります。
これは、もしかしてイケるかも…?
前回は30km地点で脚が少しも残っていなかったのに…
練習の成果を感じられてめちゃくちゃ嬉しい。
長かった新川通も終わり、あとはこのまま気持ちよく流していければ…
しかし、そんなに甘くないのがフルマラソンの世界でした。
我々市民ランナーの間では「フルマラソンの中間はハーフ地点ではなく、30km地点だ」などと言われるように、こここからどれだけ頑張れるかが勝負を分けます。
それほどに、疲労が蓄積された後半戦は過酷なのです。
案の定、33kmあたりでエネルギーが枯渇したのか足が急速に重くなっていき、ペースダウンが顕著に。
35km地点通過の5kmタイムは28分20秒。キロ5分40秒まで落ちました。
あぁ、みるみる貯金が減っていく…。
わかってはいるのですが、足が痛くて思うように前に出ません。
だけどまだ諦めないぞ。サブ4への望みがある以上、諦めてたまるか。
ここからは気力の勝負じゃい!!
…とはいえ、ですよ。
ここまで35km以上、一度も止まることなく動かし続けてきたわけですから、尋常じゃないくらい足が痛いんですよね。
気力でどうこうのレベルじゃなくて。痛いもんは痛いんだ。
こんなとき、どうすればいいのか。
こうなることを見越して2つほど秘策を用意してありました。
秘策その1 「笑う」
そもそもなんのためにこのマラソン大会に出場しているのか。
楽しむために決まっています。
エントリー料だってかかっているんだ。
いくらだと思いますか?
1万8千円です。
走らない人からすればとても信じられない金額ですよね。
高いなぁとぼくも思います。
1万8千円もらっても嫌だと思う人の方が多いんじゃないでしょうか。
高速代、ガソリン代、宿代を加えると5万円くらいかかっています。
それだけの金をかけてわざわざ苦しんでいるだなんて、そんな風に思いたくないですよね。
だから思い出すのです、楽しむために走っているということを。
そして無理やりにでも笑うのです。
すると脳が一瞬だまされてくれて、その間はすこーしだけ、苦しみを忘れられます。
秘策その2 「自分を信じる」
くじけそうなときこそ、
「自分はできる、絶対やれる」
と信じることです。
「もうだめかも」という思いが入り込まないよう、心の中で何度も唱えましょう。
シンプルですがこれが一番効きます。
ひきつった笑顔を浮かべながら40km地点を通過。5kmタイムは28分56秒。キロ5分47秒。
40km地点 - ゴール
残りは2.195km。
ここまで3時間47分12秒が経過していますので、残された時間は12分48秒。
きっと大丈夫。そう言い聞かせて痛む足を前に出し続ける。
北大を抜け、残り2km弱の地点で事件が起こります。
痛いたいたいたい!!!
右足のふくらはぎがつりました。
それまでは痛くても我慢しながら走ることができたのですが、足がつるのは「故障」の一種ですのでどうにもなりません。
あまりの苦痛に、スタートしてから初めて足が止まります。
しかしやっとここまで来たのです。
ゴール目前で諦めたくないじゃないですか。
ここで頑張らなかったら、きっと後悔する。未来の自分に胸を張れる、一番の頑張りどころだと思いました。
足を引きずるようにして走り続け、道庁赤れんがを通過。
時計を見ると3時間58分が経過しています。
「大丈夫、あと2分。走れ、走れ」
心の中に留めておくことができず、最後はずっと口に出しながら走っていました。
こんな呪文唱えながら走ってるやつ怖いですよね。
最後の直線にさしかかります。ここが本当に最後。
「走れ、走れ、走れえぇ~!うおぉー-!!」
なんとかゴールにたどり着き、そのまま倒れこみました。
すぐさま救護班が駆けつけてくれ、車いすにライドオン。
救護テントに運ばれ、しばらくベッドで休ませてもらいます。
脱水症状とのことで、経口補水液を飲ませてくれたり、マッサージをしてくれたり。
おかげさまで、20分ほどで歩けるまでに回復しました。
救護チームに心から感謝。
北海道マラソンを走り終えて
気になるタイムはというと、
3時間59分56秒
でした。
マジで超ぎりぎり!
4秒残しでサブ4達成なんて、狙ってもなかなかできないですよね。
事前の作戦では、前半の方がタイムが速い「ポジティブスプリット」でいこうと思っていたのですが、終わってみると後半の方が速い「ネガティブスプリット」でした。
前半の我慢と後半の頑張りが実ってよかったです。
いやーよかったよかった。あのとき諦めずに頑張って本当によかった。
自分で自分を褒めてあげたい。本当によくやったよ、自分。
目標だったサブ4を達成できたので、来年はもっと修行を積んで3時間45分で走りたいと思います!
応援ヨロシク!