NHKスペシャル「家族が最期を決めるとき~脳死移植 命めぐる日々~」

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今日はテレビ番組の感想を書きます。少し重い内容ですが、とても心に残る内容だったので書いておきます。

4月11日に放送されたNHKスペシャル「家族が最期を決めるとき~脳死移植 命めぐる日々~」をご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか。

僕は特段見るつもりはなかったのですが、ニュースを見ていた流れで、なんとなくそのまま見始めていました。

内容は、脳死と判断された患者の家族が、その患者の臓器を「提供する」または「提供しない」という決断に至るまでの苦悩を追ったものでした。

冒頭に出てきた脳死患者は、当時9歳の伊藤乃梧(いとうだいご)君。

横断歩道を渡っていたところを車にはねられ、病院に運ばれた数日後には脳死状態となり、臓器を提供したうえで亡くなりました。

ご家族のインタビューや、乃梧君が亡くなる前の様子を中心に番組が構成されているのですが、途中から映像を見るのがとても辛くなりました。

自分がもしご両親の立場だったら…どうしてもそんな想像をしてしまい、涙が止まらない。

昨日まで元気だった我が子が、ある日突然大怪我を負う、それだけで相当ショックですよね。

めちゃくちゃ心配します。どうか無事であってほしい。元気になってほしい。

病院で乃梧君の脳を精密検査したところ、音を聞かせると反応するような、脳波が出てる状態だったそうです。

「音は聞こえているから話しかけてあげて」

そう医者から言われたご両親も「大丈夫だったんだ、助かるんだ」と安心しました。

ところが乃梧君の容体は急変し、脳波が止まり脳死状態となってしまいます。

恥ずかしながら僕はこれまで、脳死状態を「植物状態」と勘違いしていて、意識がないだけで生命活動はずっと続けていけるものだと思っていました。

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だから自分が親だったら、もし子どもが脳死になっても生きているんだったら絶対に臓器提供なんてしない。

そう考えていたのですが、それは大きな間違いでした。

脳死というのは脳の全ての機能が失われるので、絶対に元に戻ることはなく、数日以内には心臓が止まってしまうのです。

目を覚ますのではないかと希望を抱いていたご家族も、乃梧君の目がだんだん濁っていくのを見て、もう助からないことを覚悟したそうです。

子どもはもう二度と目を覚ますことはなく、数日以内に死ぬ。

一旦は安心したあとに、そんな宣告を受けた時のご家族の失望と苦しみはいかばかりか。

胸が張り裂けるような、言葉では言い表せない苦しみだったと思います。

この世にこれ以上の苦しみは存在するのでしょうか。

たくさんの管につながれたまま衰弱していく乃梧君を見たお母さんは「できることなら自分が代わってあげたい」と思ったそうです。

親だったら誰でも、心の底からそう思うはず。

でもそれは叶わないんですよね。現実は残酷です。

病室で、目を覚まさない乃梧君と最後の家族写真を撮った様子が映し出されていました。

もう残された時間が少ない中、ご家族はどんな気持ちで過ごしたのでしょうか。

家族を持つとだめですね。色んなことを自分に重ねて想像してしまう。

臓器提供うんぬんより「まだ9歳の子どもが大怪我をして、数日後に亡くなるとわかっている状況」に心を奪われていまい、途中から嗚咽のようになってました。

この番組の前の日だったか、たまたま新聞で風見しんごさんが交通安全を訴える広告を見たんです。

風見しんごさんも10歳の娘さんを交通事故で亡くしており、どんな標語や啓発活動よりも心に刺さる言葉が並んでいました。

交通事故は当事者を選んでくれません。

事故にあいたいと思って事故にあう人などおらず、みんな「自分だけは大丈夫」だと思っています。

でも、僕が2日間でこれだけ「交通事故による子どもの死」に触れたのは、きっと自分にとって意味があるものなのだと思います。

いつ自分の子どもが巻き込まれてもおかしくない。

いつまでも忘れないように心に刻んで、子どもと交通安全について本気で考えていこうと思います。

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