世にも奇妙な物語~’16 初夏の特別編~

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【見栄を張りすぎた男】

?「おい、そこのお前」

僕「……」

?「おいったらおい!スタスタスターやない。お前しかおらんじゃろうに無視すんなて」

僕「えっ、僕ですか。てかお爺さん誰」

?「私は神だ」

僕「私も神だ」

?「いやいや、神は私だから。お前人間じゃろうて。何すごい速さでウソ返してきてんの」

僕「あ、はい…何かのギャグかと思って。かぶせたら面白いかなと思ったんすけど…。では僕急ぎますので、さようなら」

?「いやいやちょっと待ってよ。神へのその対応おかしくない。もしかして神様信じてないタイプの人間」

僕「全然信じてませんよ。信じてませんし、ましてや雨の中傘もささずに佇む汚いお爺ですもん。神々しさのかけらもないです」

?「汚いとかうるさいよ。言っとくけどこの格好はわざとだから。いかにも神っぽい格好してたら拝みびとがすごい集まってきちゃうから」

僕「拝みびと」

?「そう拝みびと。何かにつけてすぐ拝むでしょ人間。お金くださいーとか成功したいよーとか。そういうの寄せ付けないためのアレだから。神の証拠に、わしの回りだけ雨当たっとらんじゃろう。雨、当たっとらんじゃろう」

僕「何で2回言ってん。てか本当だ。雨当たってねぇすげぇ」

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神「ほれ見たことか。さぁひれ伏すがよい」

僕「お金くださいお金くださいお金ください」

神「ねぇいきなり何なの怖い。さっきまで全然信じてなかったくせにすごい現金」

僕「お金くださいお金くださいお金ください」

神「必死だな!怖いて!言っとくけど別にお前の願いを叶えるために現れたわけじゃないからね、わし」

僕「え、そうなんですか。じゃあ一体何の用でしょうか」

神「お前、今日ウソをついたな」

僕「今日、僕がですか。えーと………ダメだ全然思い出せないです」

神「ほれ、職場の先輩と腕時計の話したよね」

僕「確かにしました。けど…別にウソはついてないですよ」

神「正直に言えっ!!」

ビシッ(ムチ的なものがしなる音)

僕「は、はいぃっ!自分の腕時計、定価37,800円なのに4万円と言いました!」

神「そうじゃろう。そしてそれだけではないじゃろう」

僕「えっ、もうほんとに…」

ビシィィッッ!

僕「ひぇ~…本当は楽天市場で26,400円で買いましたっ!」

神「…もっと言うことがあるな」

僕「ぽ、ポイントが10倍だったので…。楽天ポイントを2,640円分もらいました!実質23,760円でした」

神「よし!!お前は今日からみえはるだ!」

僕「ひょえ~」

タモリ「いかがでしたか?皆さんも、見栄の張りすぎにはご注意を…。おや?あんなところにみすぼらしいご老人が…」

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